同じ行政書士仲間内で、実際にあった失敗例を共有しています。この情報交換は当事務所にとっても有益ですが、実際にこれから配偶者等ビザを申請したいと思っている方のお役に立てればと思います。
ひとつ注意点として、あくまでもこの失敗事例はその方だったから失敗したのであって、他者にもそれが当てはまるとは限りません。100件の申請があったら100通りの申請の進め方があると思ってください。
奥様の母国の名前は出しませんが、以下のような事例でした。
Aさん:日本人男性
Bさん:外国人女性
ある点については良くあるケースですが「収入(日本で生計を維持できるか)」にひっかりしまったことによる失敗事例です。
Aさんは、既に一度は配偶者ビザを取得されています、日本に数年いた後、奥様であるBさんの母国に奥様のビザが切れる直前まで滞在をしていました。そして奥様のビザの期限もあるので日本へ帰国し再度、配偶者等ビザの申請を行いましたが許可は下りませんでした。
その際のAさんの状態
・仕事はありません
・貯金は2.500万
Aさんは、貯金もあるので仕事はないが仕事を見つけるまでの期間は十分に生計を立てていくことができると判断していました。
ですが結論としては一度許可は下りている・貯蓄はあるという状態でしたが「不許可」となりました。
もうお気づきかもしれませんが「無職」という点が引っ掛かってしまったのです。確かに2.500万もの貯蓄があれば数年は生活していくことは可能ですよね。
ですが出入国在留管理庁は「不許可」を出しました。法律上はやはり貯蓄があったとしても「無職」という状態では「日本で生計を維持できるか」が不可能と判断されてしまったのです。
一般的に配偶者等ビザにおいて「日本で生計を維持できるか」はかなり重要なファクターになります。金額の多い少ないだけで一概に判断されるのではありません、その申請者を取り巻く環境(居住地による家賃・家族構成等多面的に判断されます)によって出入国在留管理庁は許可の判断を下します。
余談ですがこのような結果になるこもあります。
Aさん:収入15万 家賃 2万 →許可
Bさん:収入20万 家賃10万 →不許可
ちょっとオーバーな例えですが、上記のような事も実際に起きるのです。ですので如何に「日本で生計を維持できるか」に関わる収入・仕事といった関連事項が大切かが分かると思います。
結果、Aさんは就職をして再度申請を行ったそうです。
う~ん、この事例は個人的にもちょっとと思ってしまう事例です。
それは「スナップ写真 2~3枚※夫婦で容姿がはっきり写っている」です。
個人的に実は写真を撮られるのが好きではありません(関係ありませんね)
Aさん:外国人男性
Bさん:日本人女性
Bさんは元来写真に撮られることがあまり好きでなく、Aさんとの交際期間中もあまり写真を撮るということはしてこなかったそうなんです。(もちろん数枚の写真はります)
配偶者等ビザの提出書類の中には「スナップ写真 2~3枚※夫婦で容姿がはっきり写っている」を2~3枚程提出することになっております。
Bさんは仕事の関係でご主人であるAさんとは海外で知り合い、よく行く仕事での出張先での出会いでした。またご主人のAさんも日本には仕事上良く来日していたそうです。
そんな距離感での交際をスタートさせ、お互いの国で逢っていたわけです。(数か月に1度は渡来・渡米していた間柄です)
もちろん真剣にお付き合いをしていて結婚を機にご主人であるAさんと日本で暮らす段取りで事(配偶者等ビザ)を進めていた矢先に出入国在留管理庁より封書が届いたそうです。
そこには、「不許可」の文字が…。Bさんは仕事柄、官庁系の手続き・契約書等は正直お手のものだったので、その不許可の文字を見たときは寝耳に水だったそうです。
Bさん的にも書類不備は見当たらないため、出入国在留管理庁へ確認してみることにしました。もちろん書類の不備も見当たらないので、何が原因なのか知るためです。
Bさん:「書類に不備はないのですが、何が問題なのですか?」
担当員:「交際から結婚に至る経緯の立証が足りません」
Bさん:「えっ?2人で写っている写真を3枚も提出していますよ」
担当員:「必要書類は最低限であって、許可への確約がなされるわけではありません」
Bさん:「・・・」
そうなんです、たとえ「スナップ写真 2~3枚※夫婦で容姿がはっきり写っている」を提出したとしても、それが交際から結婚への立証として確実ではないという事例なんです。
もし、専門家のアドバイスがあれば仕事で渡米した際の出会いからご主人が来日した際に逢っていた写真や文章等も添えるべきだとアドバイスをしていたと思います。Bさんの写真では、仕事で渡米・来日した際にお会いした位にしか捉えてもらえなかったのかもしれません。
普通であれば必要書類にスナップ写真を2~3枚と書いてあれば、それだけしか提出しませんし、交際から結婚に至るまでの細かい経緯などは配偶者等ビザを申請しにきているのだから当たり前と思ってしまいます。
こういった事は手慣れた専門家であれば防げた事例ではあると思いますが、何ともない提出事項が仇となるケースもあります。
不法滞在や偽装結婚に対する法律上の厳しさは増すばかりですが、正式に結婚をし日本で住みたいと思っている方にとっては大変ですよね。
専門家を通さずにご自身で申請を行う方は特に注意しなければなりません。法律も変わりますし提出種類も変わることもあります。
またパートナーの母国によっては、その母国での婚姻の証明すら大変な場合があります。(日本の法律と諸外国の法律に精通していなければいけない要素があります)
先の申請失敗事例の通り、本当にちょっとしたことを突かれることもざらにあります。せっかく時間と労力を費やし申請をしたが、不許可になってしまうのは精神的にもダメージが強いですが、2度目の申請が通らなくなる最悪の事態だってあり得ます。
無理をせず、専門家のアドバイスを聞き慎重に事を運んで頂ければと思います。
当事務所はもちろん「配偶者等ビザ」のご相談を承っております、安心してお問合せください。